レクサスLBXの静音、燃費、ステアリングフィール、乗り心地などの改善への取り組み。②
2024.11.26
※記事中には燃費に関する具体的な数値などの記述がありますが、燃費に関しましてEVは純正でも様々な要因で変動しますので、検証時の気温や走り方、バッテリー状況にもよりその時々で変わる可能性がございます。
燃費の具体的な数値に関しましては、参考値としてご理解ください。
①からの続きです。
写真が少ないので見ずらいですよね。。
ごめんなさい。
という事で、最初に取り掛かったのは「騒音」対策。
個人的に一番気になってた部分です。
走行時のEVからの切り替わり時や、エンジン走行時などの騒音は、比較的気にならないのですが、気になるのは充電の動作をしているとき。
ぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこ。。。
い”ぃーーーーーーーってなります。
ですが、純正でも防音に関してはある程度しっかりと対策されている車ですし、このぽこぽこ音は空気の振動から伝わってくる比率が少なく、主には直接車に振動が伝わって聴こえてしまうもの。
正直かなり厄介です。
っていうか無謀レベルの挑戦です。
まずやった、、、と言いますか、防音施工の方向性としては「防音しない」に設定しました。
勿論防音的な効果がある工法も多用していますが、組み立て方、考え方として防音のための施工はしないことにしました。
どうすんだよ!
当然の突っ込みですよね^^;
今から防音しようってところに防音しないって、ふざけてるとしか^^;
至極まじめに考えてます。
実は防音って結構難しいといいますか、最低限必要な条件といいますか、それが実現しえない物理的な問題が車には多く存在するんです。
平たく言ってしまうと、防音では今回のポコポコの改善は極僅かである。
と判断しました。
防音って時のとおり”音を防ぐ”ことなんですね。
嫌な言い方をすると、あくまで受け身の施工であるという事です。
臭い物に蓋的な感じです。
今回のポコポコは蓋が出来ないって事ですね。
じゃあどうするのよって話ですが、みなさん、忘れていませんか?、わたし、オーディオ屋なんですよ♪
と、いう事でデッドニング的なアプローチで攻略しようと思います。
防ぐのではなく、積極的に鎮めにいきます。
お化けが怖いからお札を貼るのではなく、ゴーストバスターズのようにやっつけに行きます♪
これぞオーディオ屋の真骨頂!
伊達に何百枚もドア作ってきてませんよ~♪
振動の事ならお任せください♪
と言う訳で、実験開始です♪
同時に路面からの突き上げ、走行音などの騒音に関しても対策していきます。
まずは比較的簡単にできる、空気振動による騒音の対策をし、その後デッドニングにより直接振動への対策をします。
LBXはルーフに関しては必要十分対策がなされているようですので、現段階では対象から外します。
フロアの遮音も現段階で効果を明確に判断したいので、最終段階で施工するか判断します。
まずは車全体の振動モードを把握します。
と言っても実際振動モードを明確に判断するには、ものすごく高い装置が必要になり、それじゃないと正確に把握することは困難です。
ですが、ドアと対話を続け数十年、経験と感性と言う名の実にふわふわした武器を手に頑張ってゆこうと思います^^;
定番のバルクヘッド、フェンダー裏のデッドニングをします。
使用したのは発砲系の素材。
発泡系は空気室が一つ一つで独立した素材を使います。
いわゆる独立気泡ってやつで、これは遮音特性に優れます。
もう一方台所スポンジのようなものを連続気泡と呼び、水や空気を通過させます。
これはフィルターなどの用途に使われており、オーディオ的には吸音に向いています。
独立気泡タイプは吸音的な効果は薄いですが、例えば振動を表側で受け裏に抜ける時に、エネルギーは一つ一つの空気室を通る際に、空気室壁→空気→空気室壁をひたすら繰り返さないと裏に出れず、その間に疲弊し減衰する仕組みです。
素材自体をに内部損失の高い素材を使用することで、その効果をより高めることができますし、それ自体をデッドニングしたい素材に貼れば物体の共振エネルギーも減衰させることができます。
空気を介し共振するエネルギー、直接伝わるエネルギーの両方に効果があります。
これはオーディオではやっちゃダメに部類する手法ですが、騒音対策にはめちゃめちゃ効果があります。
この施工ではポコポコ音がとかではなく、全体のノイズレベルが下がった感じですので、破壊力のある施工ではありません。
エンジン音、スキール音、風切り音などが緩和する感じの施工です。
スキール音に関しては、路面の悪い場所や雨の日には、結構大きな効果がありました。
次に本丸!
ポコポコ音にしても突き上げにしても、エネルギー的にはめちゃめちゃ大きく、それそのものをどうこうしようというのは無理です。
相手を知り己を知ることで、まずは諦めるべき事を諦め、その上で出来る対策を打つ。
で、採用した工法が、オーディオ的デッドニングでは絶対使えない、音を悪くさせる手法です。
これもドア作りの一環で得られた”絶対やっちゃダメ”的な工法ですが、振動を鎮めるためには非常に有効な工法です。
やっと日の目を見ることができます♪
原理的には昔からある手法で、昔はF1などにも採用されたりしてますし、現在でも多方面で実装されている技術です。
それをそもままでは使えませんし、大事になってしまいますので、他のファクター含め相乗的な効果を狙い複数工法で進めました。
これは突き上げに関してはかなり効きました!
無限な試行錯誤は覚悟していましたが、一発であっさり納得いくレベルに落ち着きました。
具体的にはガン!と入った入力に対し、逆位相の力をぶつけ減衰させるのですが、基本は勘頼り^^;
それを振動モードを分散させながらってことを目的に複数個所で施工。
分散したエネルギーで、場所により制振材などで吸収できるようになった周波数帯の場合は吸収させます。
いわゆるデッドニングの説明でよく聞くジュール熱に変換ってやつですね。
制振シートはこうやって使うんです。
で、更に細かく分割させる部分は分割し徐々にエネルギーを減衰させてます。
これが振動モードのコントロール。
実はこれ失敗すると簡単に悪化してしまう手法ですが(実際私も今回のフロント廻りで大失敗してます^^;)、ドア造りの一環で得られた感性が生かされ、一発OKとなりました。
数日経ち、効果に慣れ、もう少し何とかしたいと思い施工したのがアーシング。
足回り、特にリアに対し施工し、更に効果を増すことが出来ました。
副産物として、クイックなステアに対しての応答性も改善しました。
ぶっちゃけますと、私は走りに関しては鈍感な方だと思いますので、その私が実感してるってことは結構効いてるのかなと思います。
ポコポコ音は、ちょっと苦戦しました。
ここへの記述はわかりやすくしたかったので、時系列は実際の作業手順とは違うんですが、本丸以外で何とかならないかと期待しいろいろやってみたのですが、なかなか効果が無い。。。
エネルギー源と物理的につながっているので、車室内へ音が響くので、その間のどこかに何かしらの対策(他の効果を狙ったもの)をしたとすれば、多少なりとも効果があるはずなのですが、やはり断続的に入力されるエネルギーですので、諸々効果で強烈なエネルギーに変換されてしまっているようです。
という事で、こちらにも本丸施工!
が、
大失敗。。。
完全に読み間違えました^^;
猿も木からの猿江です。。
そうです、私はサルです。。。。。
ポコポコ音どころか、エンジン音まで大きくなっちゃいました~。。
とひとしきり落ち込んだのち対処!
運良く、一発で大失敗が選択できましたので、その情報をもとに施工個所を変更。
見事改善!改善!改善!
後にこちらもアーシング追加で更に効果を増しました。
ですが、気になることも・・・
なんだか横方向のブレと言うか、振動を感じるようになりました。
同時並行作業中の効果も相まって、ステアリングフィールもかなり改善され、ステア時初動のフロントの切れ込みもかなり改善されていたのですが・・・
それが少し甘くなり、純正に近いフィーリングに。。。
う~。。。
騒音はいい感じに抑えられてるのにな~。。
もうちょっと詰めたいところですが、ここからは強化含め物理的なアプローチが必要になるのかもしれません。
リジカラとか入れたら改善しそうな気がします。
と、ここまでの対策で、騒音に関してかなり大きな改善が実現できました。
ちょっと驚いたのは、急加速時に車全体が少し地面に押し付けられるような感覚があり、スムースな加速が出来てる気がします。
確かにアーシングをリア、フロントと別日に行ったのですが、車に乗り込み感じたのは、施工した側が少し車高が下がってる感覚があったんですが、その時は気のせいと思ってたんですが、両方施工した日に前述のような感覚があったので、ひょっとすると何かしら影響してるのかもしれません。
騒音に関しましても激減と言ってよいです。
ポコポコ音も聴こえるんですが、なんだかコンプレッサーが回ってるかのような不快な感じはかなり軽減されましたし、エンジン音もほぼ気になりません。
エアコンやオーディオをオフで乗っていると”静寂”といった雰囲気を感じられ、これはレクサス上級車両と通じるものがあります。
燃費も僅かに改善されてる気がします。
記事中にも出てきましたが、実は同時進行でアーシングや帯電対策も行っております。
燃費や動力性能はそちらの施工の方が効果は大きいですが、少なからず騒音対策にも一役買ってくれていると感じています。
③ではアーシングと帯電対策について